その虫刺され ダニじゃないかも…
夜、畳の部屋で寝ていたらダニに刺されてかゆい…。胴体や手足に赤い虫刺されのあとが残っている…。
『ダニに刺された!』と思って、布団をまめに干したり、シーツをこまめに交換したりしていませんか?
もしかしたらそれ、ダニじゃないかもしれません。
シバンムシアリガタバチとは?
もしおうちの畳がわら床であれば、原因はシバンムシアリガタバチの可能性があります。
シバンムシアリガタバチは、乾燥食品や畳に発生する害虫シバンムシの幼虫に寄生して繁殖します。
色は飴色で体長は2ミリ前後と非常に小さく、その名のとおり見た目はアリのようなかたちをしています。
メスが毒針をもっていて、この毒針でシバンムシの幼虫を麻痺させて卵を産みつけます。
春から秋にかけて現れることが多く、ときには人間の皮膚を刺したりします。
わたしはかつて、このアリガタバチに刺される被害にあいました。
シバンムシアリガタバチ かゆみで眠れない
梅雨の頃から、和室で寝ていると度々虫に刺されるようになりました。
とにかく刺されると『かゆい!』、おもわず飛び起きるほどです。
ダニかな…?と思い、こまめに布団乾燥やシーツ交換をしてみましたがまったく効果はありません。
原因がわからず、一時は寝室で眠るのが怖くなりました。
見えない敵 シバンムシアリガタバチ
そんなある晩、みつけたのが茶色いアリ(のような虫)。
とても小さく、しかも深夜に現れるので、発見するまでかなり時間がかかりました。
『なんで寝室にアリ??でもアリなら「アリの巣コロリ」が効果絶大なはず!』
急いで買ってきて置いてみましたが、なぜかこれも効果はありませんでした。
シバンムシアリガタバチの駆除方法は?
いろいろ調べた結果、この茶色い小さな虫はアリではなく、シバンムシアリガタバチという害虫らしい…ということが分かってきました。
アリじゃないからアリの巣コロリが効かなかったんですね…。
ちなみに、アリガタバチは殺虫剤に弱いため、市販されているダニ用の殺虫剤でもある程度効果はあるそうです。
とはいえ、寝室に殺虫剤を噴霧するのはあまり気が進みません。
さらに調べていくうちに、畳を乾燥して宿主のシバンムシを除去するのが効果的だと知りました。
そこで、畳乾燥ができる畳屋さんを探して、畳をすべて持ち帰ってもらい、畳乾燥による防除処理をしてもらいました。
(10年ほど前で費用は畳一枚当たり4,000円くらいでした。)
その後2年ほどは収まったのですが、3年後には再び発生してしまいました。
畳リフォームでシバンムシアリガタバチにさようなら
アリガタバチの宿主タバコシバンムシはごくありふれた害虫です。
乾燥食品に繁殖した茶色い米粒大くらいの小さな丸い虫を目にしたことがある方も多いと思います。
シバンムシにはいろいろな種類がありますが、畳のわら床にも発生するのがタバコシバンムシで、畳屋さんによれば、アリガタバチが発生している家ではタバコシバンムシの姿があちらこちらにみられるそうです。
我が家ではそういった兆候は見られませんでしたが、外からも飛んでくるので繁殖を食い止めるのは難しいそうです。
畳屋さんのアドバイスもあり、最終的にはわら床から建材畳床に入れ替えることにしました。
(建材畳床はタバコシバンムシの好物であるわらを使用していません。)
6畳分一式で14万円ほど費用はかかりましたが、宿主がいなくなったことでそれに寄生しているアリガタバチも完全に姿を消しました。
わら床の畳 タバコシバンムシの好物です
もっと早く正体に気付いて畳を取り替えていたら、何年にも渡って大変な思いをしなくて済んだと思います。
ちなみに、新しい住宅ではわら床の畳はほとんど使われていないので、畳にシバンムシアリガタバチが発生する心配はないそうです。
でも、もしお家の畳がわら床ならその赤い虫刺され…、アリガタバチの可能性も疑ってみてください。